Sunday, December 18, 2005

LXXXII-th stone: Breakfast at Tiffany's

「君はね、臆病者の意気地なしだ。
 現実を受け止められないんだ。
 人間は愛し合う。そして求め合うのさ。
 幸せを得るために。
 君は自分が自由だと信じて・・・
 カゴに入れられるのを恐れてる。
 でも もう自分のカゴに入っているんだ。
 自分で作ったカゴをいつも持ち歩いているのさ。
 最後にはそこへ逃げ込むのさ。」

この言葉はかの有名なオードリー・ヘップバーン主演の「ティファニーで朝食を」でポールがホリーにラストシーンでかけた言葉だ。
ホリーはニューヨークで自由奔放に生きるプレイガール。そのアパートにこしてきたあまり売れない小説家ポールとのラブストーリーだ。ホリーはポールに自分が惹かれている事をわかっていながら、自分の殻から逃げ出せない。誰かのものにはならず自分は自由だと言い聞かせて。そんな彼女にポールが言った一言だ。

僕はこれまで、この「人は自由」というのを必要以上に肯定してきたのかもしれない。それをわかってやるのも一つの優しさであると。しかし、この映画を通してその「人は自由」というのを肯定している僕自身がそのカゴに入ってしまっているのだという事を発見できた。自分が求めず、求められるのを舞っているだけだった。

そして「愛し合う」という事の一つの形を見つけた、というか再確認できた。自分でもそれはわかっていた。お互いに求め合うものだと。しかし、「誰も誰かのものになったり、したりする事はできない」という事実を強く肯定していたために僕はポールのような行動は起こせなかった。それが悔やまれてならないが、これからは、またもし、愛したい、愛されたいと想う事があったら、もう少し「求める」という事をしてみようとおもう。

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