Tuesday, November 15, 2005

LXXIX-th stone: トキメキのかけら

私はアルバイトで塾の講師をしているけれど、その時にいつも思う事がある。
「生徒たちは学習を楽しめているのだろうか?」

彼らには教科書や問題集は無味乾燥のただの記号列にしか見えていないかの用に感じているのではないかと思えてならない。しかし教科書とういものがここまで出来上がるまでには、学問というものがここまで体系的にまとまってきたのは、歴史が始まって以来全人類の英知が結集された結果なのだ。

英知が積み重なり、学問というものに成長していく過程には、先人たちの好奇心や探究心などが詰まっているのだ。どんなに無味乾燥な記号列に見える教科書の行間にも、そうした先人たちの気持ちの高ぶりが存在するのだ。

今の中学生や高校生には、この知識が欠けていると思う。教科書はただ押し付けられるものではない。ただの記号列ではない。そこには先人たちのトキメキやドキドキやワクワクのかけらが詰まっているのだ。数学者が無理数を発見したときに覚えた感動。歴史家がポンペイを発見した時に覚えた感動。科学者がこの世に百数種類の元素しか存在しない事を知ったときの感動。物理学者が電波の存在を発見できた瞬間の感動。数えきれない数のかけらが詰まっているのだ。

学習とはそういったかけらをあつめて、自分というものを形作り、また次の世代に自分のかけらを伝えていく事ではないだろうか。

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