XXXV-th stone: 覆水盆に返らず
この故事成語は、「一度してしまったことは、2度ともとには戻らない」という意味だ。人を傷つけてしまったときは過ちを犯したことを素直に謝罪するだろう。しかしこの謝罪とは何なのだろうか。自分が他人に対して過ちを犯してしまったとき、その人に許してほしくて謝罪するのだろが、許してもらえないとしたら謝罪の意味などあるのだろうか。許してもらえないと言うことは自分の犯した過ちは永遠に許されないということになる。こういう事を経験した人は死ぬまでその罪の意識とその人への謝罪を胸に生きていくのだろか。いくら謝罪しても許してもらえないならば、謝罪をあきらめていいのだろうか。許されないからと言ってその罪から逃げるだけでいいのだろうか。そうでは無いと、僕は思う。自分にできるのは、いや「すべき」なのは、その人に与えた心の傷の重さを理解しようと自分のした過ちを悔い、二度とその過ちを起こさないように精一杯生きる事だと思う。その人との関係が元には戻らないとしても。そして人間として最低の行為をしてしまった人はその後悔しても後悔しきれない気持ちをどこへもぶつけることは許されないのだ。それは自分が犯したことの罰なのだから。その罪の咎は相手に許してもらえない限りとれることはないし、許してもらったとしても覆水はもう盆には返らないのだ。「自分の行為には自分で責任を持つ」と言うことについて以前書いたと思うが、私にはそれができなかった。その結果として人を裏切り、信頼を無くしてしまった事を後悔し、謝罪の気持ちを胸に、2度と過ちは犯さぬよう心に留めて生きていきたい。
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