XXXIV-th stone: Sign
先日、"オレンジデイズ"と言うTVドラマが放送終了した。私は放送当時はみていなかったのだが、友人と共に見たい衝動に駆られて、どうにかして手に入れて見ることができた。後で知ったことだが、このドラマの脚本はかの有名な北川悦吏子さんだった。私は北川悦吏子さんの小説が非常に好きなため、それを知ったときは非常に納得したと同時に嬉しかった。
この、ドラマ非常におもしろい。設定としては耳の聞こえない女の子と健常者の男の子の恋の物語だが、若い!の一言というか、男女の関係の中でいたずらにその中を引き裂いてしまう、弱さ。相手を信じたいのにどうしても信じられない弱さ。相手に嫌われるかもしれないなら、いっそ今。本心とはうらはらに動いてしまう非常に心の弱いところにあるひだが表現されている。その弱さによって広がってしまう距離をいろいろな周りの人の助けや二人の努力もあり、最後には相手の弱さを理解するに至る。非常に感動した。ドラマのエンディングにて、主人公の結城櫂君は語る。
"その年、僕は光をみつけた。ただ続く、毎日の闇の中で、一筋の光をみつけた。その光は、時折弱くなったりもするけれど、僕の心を照らし続ける。彼女は僕の命の光だ。"
すごくいい文章だと思う。いつもいつも強く光り輝くんじゃない。時折弱くなることだってある。”でも”、その光は彼を照らし続け、
また、彼は彼女を照らし続けるのだろう。こんな風に思える人に巡りある事ができたらどれだけ幸せなことだろうか。僕は、こういうデリケートな関係はガラスのような物だと思っていた。一度壊れてしまったらどうやって修復しようとしても、細かい粉のようになった破片は必ずあって、元には戻らない。そんな風に思っていた。しかし、お互いに直したい気持ちさえあれば同じ失敗では絶対に割れない強いガラスを最初から作り直せるのだ。それを支えるのはやはり"信じる心"だと思う。私は君を照らしていこう。同じように君も私を照らしていきたいと思っている事を心の底から信じることが必要なんだと思う。それを支えるのはお互いの努力もあると思うが、最終的には個人の強さなんだと思う。相手が本当にどう思っていようとも、自分でそう信じて自分を駆り立てて自分から動いていける。"私はあなたを信じています"と行動であいてに伝えられるほどに自制の力が必要だとおもう。でも最初から人間はそんなに強いわけはない。このドラマのように、お互いにこの事実さえ解っていれば少しずつ少しずつ光はまし続けることができるのだろう。
この主題歌であるMr.ChildrenのSign。この中の歌詞も非常に良い。その中の
"「ありがとう」と「ごめんね」を繰り返して僕ら人恋しさを積み木みたいに乗せてゆく"
という箇所が非常にすきだ。永遠にうまくいく仲なんてあるわけない。櫂君がいうように光は弱くなったり強くなったりする。でも、それを解って、お互いに照らしあって、光を強める努力を止めない事でずっとお互いを照らしていけるんだと思う。
同じ事をくどく書いてしまったような気がするが、この忘れがちな事実をいつまでも心にとめておきたい物だ。